「じゃあ・・・アルクェイド」
そう言いながら改めて志貴は自分の妻となった真祖の姫君を抱き寄せる。
「うん、志貴いっぱい愛してね」
「ああ善処する」
志貴の返答が気に入らないのかむすっと頬を膨らませる。
「むー、志貴こういう時は快諾するものよ。鈍感」
「鈍感なのは否定できないが・・・じゃあまあ態度で示すとするか」
そう言うや自分の胸元に引き寄せるとその唇を奪う。
「んん!!」
あまりの電光石火の早業にアルクェイドも対応できず呆然と志貴のキスを受け入れていたが、はっとしたように自分の主導にしようとするがいくらなんでも格が違う。
「ん〜んん〜」
巧みにいなし、避けて、志貴の舌はアルクェイドの口内を蹂躙する。
やがて、一通り口内を味わい尽くした志貴が離れると体中の力が抜けたようにアルクェイドの身体がへなへなとへたり込む。
「ふぇ・・・志貴のキスって本当にエッチ」
「そりゃ今やっているのはそう言う事なんだし・・・」
そう言いながら、志貴の手は襦袢に潜り込まず先に生地の上からアルクェイドの乳房に触れる。
「ど、どうかな?志貴・・・」
「どうも何も・・・翡翠達には申し訳ないけど、格が違うな」
力を入れず、ただ触れるだけのまま志貴はしみじみと呟く。
だがそれも仕方ないかも知れない。
翡翠も琥珀もその大きさ弾力申し分ないものだったが、目の前のそれは迫力がまるで違った。
着たままでもそれはそれで興奮をもたらすものなのだろうかとふと思いつき、物は試しで行ってみたが、想像以上の興奮するのだと一人納得しているうちに
「はぁ・・・志貴ぃ・・・なんか切ないよぉ」
眼を潤ませ、体中をもじもじさせながらアルクェイドが志貴を見つめている。
「我慢できないのか?仕方ないな」
表面余裕がある様にみせて、その実再び昂ぶって来た事を自覚していた志貴は一気に襦袢の中に両手を滑り込ませようとした。
と、その瞬間、不意に背後から誰か寄り添ってくる気配を感じた。
それも複数。
振り向くとアルトルージュ達が眼を潤ませて志貴に迫りだしていた。
「志貴君・・・」
「い、いや、ちょっと待て確か順番が・・・」
嫌な予感を感じて少し引き気味に説得に入る。
「わ、わかっています・・・ですがあのような物を見せられては・・・」
「我慢できないんです兄さん」
「だから、志貴君キスだけ先にしてよ」
「・・・(コクコク)」
だが、何時の間にかシオン達は志貴を包囲するようにじりじり迫り来る。
「わ、わかった、じゃあキスだけは先にする。だから皆落ち着いて」
下手に拒むと強硬手段に打って出る危険すら感じた志貴は一先ず落ち着かせる事から始める事にした。
だが、あちらが立てばこちらが立たずの格言が、ここで活きる事になる。
「駄目に決まっているでしょ!」
先程までの余韻など何処に行ったのかアルクェイドが志貴を自分の背中に隠して険しい眼でアルトルージュ達を牽制する。
「ずるいアルクちゃん!」
「ずるいのは姉さん達でしょ!今は私が志貴に愛してもらっているのよ!琥珀や翡翠の時も我慢していたんだか・・・ああっ!」
ものすごい剣幕でアルトルージュ達に食って掛かっていたアルクェイドだったが、途中から打って変わった嬌声に変わった。
「ほら落ち着いてアルクェイド」
犯人はもちろんアルクェイドの背後から落ち着いた声を発する志貴だった。
志貴の両手は蛇の様にするするとアルクェイドの襦袢の隙間に潜り込み、片方は胸元から乳房に触れ、もう片方は、裾から、奥の秘所に到達していた。
そして入ってしまえばこちらの物とばかりに志貴の両手は上下から同時に純白の姫君の汚れ無き肌の蹂躙を開始した。
アルクェイドの嬌声は胸と秘所の同時責めにより発せられたものだった。
「・・・やっぱり履いていないのか・・・」
「う、うん、ひゃぁ・・・み、皆・・・が、履かないって言っていたし・・・だ、だめぇ」
誰がとは敢えて聞かず、志貴の両手は愛撫を続ける。
だが、その視線はアルトルージュ達に向けられる。
「じゃあ、アルクェイドの世話で俺は動けないから、一人づつこっちに来てくれ。順番にキスしていくから」
その提案を我慢も限界だった四夫人は直ぐに了解し、まずはアルトルージュが近寄る。
「じゃあ」
「う、うん・・・ふぁ」
両手の動きは全くおろそかにせず、志貴はアルトルージュから口付けを交わす。
今まで翡翠、琥珀、アルクェイドのそれを見てきた為かアルトルージュも躍起になってぎこちなく舌を動かすが、見よう見まねで志貴を圧倒など出来る筈も無く、あっと言う間に志貴にペースを握られていた。
「んんっ・・・あふっ・・・くはぁ、はむ」
「や、やぁぁ、そ、そこいじっちゃぁ、だめぇ」
アルトルージュの吐息交じりの声とアルクェイドの喘ぎ声が、混ざりあう。
やがて片方の声が止まる。
志貴とアルトルージュのキスが終わり、二人が唇を離した為だった。
「はぁぁぁ・・・本当に志貴君のキス上手だし、エッチ・・・」
離れると同時に夢心地の声で呟きへたり込む。
「あはぁぁ、い、いい・・・いいのぉ志貴ぃ」
その間も志貴の両手は止まる気配は無く、アルクェイドを喘がせ続ける。
既に秘所を責めている志貴の手は愛液塗れになっていた。
「で、では次は私ですね志貴」
今度は反対側から瞳をやはり潤ませ、緊張の為か声を上ずらせているシオンが近寄る。
「ああ、そうなるな。じゃあまずは力抜いて」
「ち、力ですか?」
「ああ、かちこちに緊張しているだろ?」
「そ、そんな事は・・・」
「とにかく、まずは深呼吸して」
不服そうだったがとにかく大きく深呼吸を始める。
「吸って・・・吐いて・・・」
「すうう・・・はああ・・・すうう・・・はああ・・・んっ!!」
いい具合に肩の力が抜けてきたと見るや、電光石火の早業でその唇を奪う。
「んんんっ!」
突然の事で驚いていたようだが、それでも気を取り直したのか、アルトルージュと同じく見よう見まねで舌を伸ばし志貴の舌と絡めあう。
「はあ!ああっ!んあああ!」
アルクェイドの喘ぎをBGMとして互いの唇を貪りあう志貴とシオン。
やはり学習能力が桁外れに高い為か、あっと言う間にコツを掴むと、なれた動きで志貴の口内を蹂躙しようとする。
それに負けじと志貴も応戦し、二人のキスは今までで最も激しい物となった。
途中までは互角だったが、ほんの僅かシオンの動きがぎこちなくなった瞬間、均衡はあっさりと崩壊した。
今までの鬱憤を晴らすように志貴は舌を縦横に動かし、シオンの口内を暴れ回る。
もはやシオンにその形勢をひっくり返す事は不可能で、ただされるがままに志貴のディープキスを受け続ける形となった。
だが、それも当然の事ながら終わりを告げ、志貴はシオンから離れる。
「あ・・・ふあああ」
あまりに激しいディープキスの為か感想を言う余力すらなくへたり込み、虚ろな眼で虚空を見るだけだった。
「さてと・・・次は」
そう言った時、
「志貴ぃ、志貴ぃ・・・」
半泣きと言うよりもう泣きかけているアルクェイドの声が志貴の耳に届く。
「もう我慢出来ないよぉ・・・志貴ぃ」
シオン以上に虚ろにさせた眼を志貴に向ける。
「もう良いのか?」
志貴の言葉にアルクェイドはただ静かに頷く。
「確かに、もう準備は良さそうだなこっちは・・・秋葉、さつき、レン少し待ってくれ。」
そう言って今までアルクェイドの胸と秘所を嬲っていた両手を引き抜く。
秘所を弄っていた手はアルクェイドの愛液でびしょびしょに濡れていた。
「ほら、見てみろ。お前のここ、こんなにびしょびしょだぞ」
「や、やぁぁ」
志貴にその手を見せ付けられて、いやいやをするアルクェイドの姿にほくそ笑むと志貴は仰向けに横にする。
それから襦袢を脱がすかと思いきや、裾を捲し上げ、下半身のみを外に晒した。
どうやらアルクェイドは脱がさずに襦袢を着せたまま抱くようである。
捲し上げられて志貴の眼に飛び込んできたアルクェイドの秘所は肉体的には大人の女性として完成されている中で唯一幼さを残していた。
翡翠や琥珀にも生えていた陰毛は一本も生えておらず、その白い肌をそのままに晒し、アルクェイドの秘所を無防備に曝け出す。
にも拘らず、その秘所は愛液に塗れ、大きく口を開き時折別の生物であるかのようにかすかに蠢く。
それは本人に自覚は無いだろうが、男を誘う淫女のそれだった。
そのあまりのギャップに思わず唾を飲み込む。
琥珀と翡翠の時には幼い時からの幼馴染を抱いたと言う事に興奮したが、アルクェイドのそれはまた違う興奮を志貴に齎してくれる。
「さてと・・・じゃあアルクェイド、本番行くぞ」
そう言いながら、志貴はゆっくりとあてがう。
速やかに尚且つ痛みを最小限に留めようとした時不意にアルクェイドが囁いた。
「うん・・・でも・・・志貴」
「??どうした」
「そのね、私、初めてだから・・・優しくしてくれたら・・・嬉しい」
そんな事を眼を逸らしがちに言ってきた。
「・・・はっ、ははは・・・」
その破壊力に志貴は乾いた笑いを浮かべ、ついでに配慮もどこかに飛んで行った。
「??志貴」
「お前な・・・どうしてそう言う事を直球で言ってくるかな!」
そう言うや、躊躇い無くアルクェイドを一気に貫いた。
何か抵抗のあるものを強引に引き千切ったように思えたが、そう思ったのは既に奥まで到達した時の事だった。
「っっっっっっっ!」
予想外の激痛だったのか、声無き悲鳴をあげて目尻からは涙が滲み出す。
結合部からはアルクェイドの処女膜が破れた証が鮮血となって滴り落ちてくる。
「しまった・・・つい手加減なしで・・・大丈夫か?」
「ううううう、痛いよ・・・志貴、優しくしてって言ったのにぃ・・・ぐす、志貴の馬鹿」
「ごめん、俺が全面的に悪いけどな、お前だって責任あるぞ。あんな事ストレートで言われたら俺でも理性が吹っ飛ぶぞ」
「だけどぉ・・・」
「ま、それについてはまた後で話し合うか。それよりも」
語尾から志貴は琥珀の時と同様に、動かずにキスをしたり胸を愛撫したりして少しでも痛みを和らげようとする。
いや、正確には使用とした矢先、アルクェイドが自分から腰を動かし始めた。
「お、おい!」
「んっ、だ、大丈夫、痛みもひいたから。さっき一杯気持ちいい事してくれたからだと思う」
「嘘付け。それ割には眉を寄せているぞ」
「だ、大丈夫なの!それに・・・さっきから姉さんやシオンばっかり構って私の事おざなりにしていたじゃない。だから今度は私だけを愛してよ」
この台詞を聞いた時、志貴は悟った。
今回といい、本番前の台詞といい、彼女は全部無自覚で出したんだと。
考えてみれば自分と会うまで、死徒やロアを滅ぼしては眠りにつかされて、経験や記憶はリセットされ続けられたアルクェイドだ。
知識はあってもそれ以外は文字通り、無垢な赤子と大差ない。
駆け引きなど存在する筈も無く、ただ本音だけをぶつけるだけ。
身体は成熟した大人だが、心の面では幼子と変わらない。
そうとわかった瞬間、志貴はスローペースだが、確実に前後に腰を動かし始める。
躊躇いや配慮は逆に彼女を傷付けかねないと察したからだ。
「んっ、くっ・・・」
「くううう」
アルクェイドのうめき声と志貴の何かを耐える声が交差する。
事実、志貴は気を抜けば噴出しそうな射精を懸命に堪えていた。
琥珀、翡翠、二人の膣内も充分名器であったが、アルクェイドのそれは二人のそれをも越えていた。
動かすごとに、志貴のを包む壁が纏わりつき、想像以上の快楽を与え志貴を責め上げる。
(有彦が言っていたな名器を表現する言葉に『ミミズ千匹』とか『数の子天井』とかって・・・アルクェイドのはまさにそれだな)
そんな事を考えている内に志貴の身体は射精感を誤魔化す為に、徐々に動く速度を上げ始めていた。
「はっ、あっ、くはああ」
それを受けるアルクェイドの表情には既に苦痛の色は無く、志貴に与えられる快楽を少しずつだが、受け止め始めていた。
既に志貴は前後の動きに加えて、深く、浅くや速度の強弱を交えたり、そして根元まで入った状態で膣内をかき混ぜる様に、回転まで加える。
それにアルクェイドが耐えられる筈も無く、
「ふああああ!あひっ、ひゃあああ!!」
未だ着ている襦袢を乱れさせながら、嵐のような志貴からの快楽を無防備に受け止め続ける。
だが、それも終わりが近付く。
「な、なにぃ、これぇ、なんか来るよぉ」
「もう、お前も限界か・・・」
「し、志貴ぃ、しふいやこひゃくのと同じのぉがぁ・・・」
「ああ、遠慮無くイケ。俺も合わせるから」
「う、うんっうんっ!」
アルクェイドが頷くの見て、志貴はラストスパートをかける様に、今までの中で一番早くそして強くピストン運動を繰り返す。
それを受けて遂に、
「だめえええ!いくうううう!」
ひときわ大きい嬌声を上げてアルクェイドは全身を仰け反らせ硬直する。
それと同時に膣内は志貴のを強く締め付ける。
それに今まで耐えてきた志貴も
「くっ!」
限界だとばかりに、精液を膣内に放つ。
「ぁぁぁぁ・・・あつぅいぃ・・・ひぃぃぃぃぃ」
絶頂の余韻に浸っていたアルクェイドは志貴より放たれた精液を感じ、再度絶頂に達する。
「よしと」
アルクェイドが満足したのを見届けると、志貴はするりと引き抜く。
と同時に、志貴の精液がこぼれると思いきや、まだ膣内は締め付けられているのか、垂れて来る気配は無い。
そして、未だ絶頂の余韻に浸っているアルクェイドは乱れた襦袢を整える事もせず、(もしかしたら出来ないのかもしれない)肩で息をして、横たわっている。
そんなアルクェイドを抱きかかえ横に移動させると次に移ろうとしたが、
「よしと・・・じゃあ次は」
「そ、その前に兄さん・・・」
「志貴君・・・キスして」
「・・・」
志貴が四人目のアルトルージュに向かう機先を制するように、秋葉、さつき、レンがキスをねだりだす。
「ああ、そうだった。アルトルージュ、少し待ってくれ。先に三人のキスをするから」
「え、ええ・・・仕方ないわよね。私が言い出した事なんだし」
志貴の要請に言い出した当人であるアルトルージュも渋々ながら頷くしかなかった。